友人と同じ環境にいても、あなた一人がストレスを溜め込んでいる、と感じたことはありませんか？
これは、おのおのストレス耐性によって、同じ刺激を受けてもストレスの感じ方が違うためです。ストレス耐性が高ければストレスを感じにくく、低ければわずかな刺激でも過剰なストレス反応を起こすことになります。

ストレスを感じてストレス反応が起こるまでの過程は、

1. 入力系（認知的評価）…ストレッサーから刺激情報を感じとる
2. 交換系(情動)…それを体内で不安や緊張、興奮といった反応に増幅する
3. 出力系（ストレス反応）…その情報を血圧上昇や免疫力低下などの身体反応、好みの変化や食欲低下などの行動反応、イライラ感、緊張感、抑うつや不安といった心理反応で構成されます。

更にこのストレス反応は、周囲の理解者、精神的に支えになってくれる家族や友人（ソーシャルサポート）の存在や、ストレス解消のための行動（ストレス対処行動）の有無や程度によって大きく影響を受けます。
これらの諸要素次第で、私たちのストレス耐性は決定されるのです。

ストレス耐性が低いからといって、悲観することはありません。ちょっとした心がけで、ストレス耐性度を高めることはそれほど難しいことではありません。このストレス耐性度を高める方法が、ストレス・コントロールなのです。

ストレス・コントロールは、ストレス耐性を決定するそれぞれの要素に対して、色々な条件づけ、学習を重ねていくものです。具体的には、

1. ストレスのもとになるストレッサーの軽減あるいは回避
2. わずかな刺激をストレスと感じてしまう認知の修正
3. ストレスと感じた情報に対して、からだが過剰に反応しないようにする生体反応のコントロール
4. ストレス反応を軽減する要素…対処行動の習得、好ましい対人関係（相互支援関係）の確立

があります。大切なのはストレスを不快に感じないようにすることです。