|
|
|
|
|
私たちの日常を考えてみると、常に頭の中で自分自身と対話していることに気づきます。
何かを見たり、経験したとき、私たちはそれを頭の中で文章にして、自分自身に語りかけているのです。この「セルフ・トーク(自分への会話)」が正確で現実的なものであれば、あなたの精神は健全な状態に保たれます。しかし、「間違った考え」を自分自身に語りかけてしまうと、あなたは不安やストレスを感じ、精神的に不安定な状態に追い込まれてしまうのです。
たとえば、「ひとりで生きるのは辛すぎる。もう生きていけない」というのは、間違ったセルフ・トークです。
健全な人は、単に孤独だからといって死ぬことはありません。確かにそれは辛いことですが、私たちは孤独の中でも力強く生きていくことができます。また、「妻には絶対にやさしくしなければならない。もしそうできなければ、自分は本当にダメな人間だ」というのも、間違ったセルフ・トークのひとつです。この場合、あなたは奥さんとのたった1度の口げんかだけで、自分をダメな人間と思わなければならなくなります。
間違った考えの原因となるのは、間違った現状認識と、「〜でなければならない」という決めつけです。
「人生には愛が必要だ」と決めつけてしまうと、そうでない状況が耐えられないものに感じられます。それよりも、「愛情のある生活はすばらしいが、そうでなくても楽しく生きていくことはできる」と考える方がより健全で危険が少ない生き方なのです。
1960年代に、このような「間違った考え」を追いはらうためのセラピー(RET)を考案したのが、アルバート・エリスでした。彼の考えの基本は、「現実のできごとと人間の感情は、基本的に無関係である」という点にあります。現実のできごとは、あなた自身の認識によってセルフ・トークに翻訳され、それがあなたの感情に影響を与えます。つまり、不安や怒りや憂うつな気持ちを生み出すのは、現実のできごとではなく、あなた自身の認識だというのです。
次に紹介するのは、間違ったセルフ・トークを自分に語りかけてしまった、自動車修理工のBさんのケースです。 |
1.現実のできごと |
Bさんが、壊れていると判断した車の部品を交換した。
しかし、車の調子はよくならず、怒った客に「もとの部品に戻せ。金は払わない」と言われた。 |
2.Bさんのセルフ・トーク |
「あんなに怒らなくてもいいだろう。今日はついてないな」
「どうしてこんな面倒なことになったんだ」
「早く解決しないと大変なことになるぞ」
「おれはこの仕事に向いてない」 |
3.Bさんの感情 |
怒り/うらみ/敵意/憂うつ |
|
|
Bさんはこのようにして客をうらみ、仕事の自信をなくしてしまいました。
しかし、そうした感情を生み出したのは、嫌な客やその行動ではなく、じつはBさん自身のセルフ・トークなのです。この場合、間違ったセルフ・トークを改めれば、Bさんのストレスはかなり解消されるでしょう。
(次のStepに進んで、正しいセルフトークを学習してください) |
効果のある症状 |
不安、憂うつ、怒り、罪悪感、無力感など |
マスターするのに必要な時間 |
1日20分、約2週間 |
|
|
◇セルフトーク・ワークシート |
|
|
|
|
* i n f o r m a t i
o n ! |
|
i n f o r m a t i
o n ! * |
|