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もしあなたが車を運転しているとき交通渋滞に巻き込まれたら、いらいらして、機嫌が悪くなりませんか?
銀行やスーパーであなたの並んだ列が、なかなか前に進まないとき、前でぐずぐずしている人に腹が立つということはないでしょうか?
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・不公平な扱いを受けると、それについて何時間も考え続けるということはありませんか?
・よいことをしたつもりでも、それを人に批判されたら、機嫌が悪くなりませんか?
・何かの議論に巻き込まれたとき、心臓がどきどきしてきて、呼吸が荒くなるということはありませんか? |
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これは、怒りのコントロール法を研究するアメリカのR・ウィリアムズによる「怒りレベル」テストの一部です。彼によると、この中で思い当たる項目が多くあればあるほど、怒りのレベルが高く、そして怒りのレベルが高いほど、人間関係や健康に問題が生じる可能性が強いといいます。
何かに腹を立てた私たちのからだには、どういう反応が起こっているでしょうか。腹を立てると、まず脳の奥深くの視床下部という部位の神経細胞が活性化されます。その結果、私たちの腎臓の上にある副腎というところから、血液中にアドレナリンなどの物質が大量に放出されます。
そうすると心臓は速く脈打ちはじめ、血圧が急上昇します。また外部から侵入する細菌等に対抗して働く免疫系を休止状態にしてしまいます。さらに脂肪分が血液中に放出され、それは肝臓でコレステロールに変えられます。そしてそれは体中を巡ることになり、その結果、動脈硬化や心臓発作などの危険度が増してくるのです。
宮沢賢治は『春と修羅』という詩のなかで「いかりのにがさまた青さ」と書いています。生理学的にいっても賢治のいう通り、何かに腹を立てるたびに私たちは少しずつにがい毒薬を飲んでいるようなものなのです。実はアドレナリンという物質は、ヘビ毒やふぐ毒に匹敵するほど強い猛毒物質だともいわれています。
同じ出来事でも、決して怒ったり、イライラしない性格をもった人がいることも事実です。そういう人たちは、交通渋滞に巻き込まれても平然としていますし、銀行やスーパーで長い列に並んで待つことはほとんど苦になりません。不公平な扱いを受けても、そういうことはさっさと忘れ、人から批判されても機嫌をそこねることなく、それが当たっているかどうか見極めようとします。議論に巻き込まれても、気持ちを集中させて相手の論旨を理解しようと努め、それに対する自分の主張を冷静に(アサーティブに)伝えようとします。
このように怒らないでいられるようになるにはどうしたらよいのでしょうか。
まず、今まさに自分がカッと怒りだそうとしていたり、すでに怒ってしまったときに、その怒りの感情に対処する訓練が必要です。それはたいへんな努力を必要とするかもしれません。しかし怒りやすい自分を、そうでない自分に変えなければならないと気づいた人は、それだけで自分を変える能力(素質)があるということです。自分を変えようと決心し、その訓練を続けているうちに、そうたやすく怒らない人になれるのです。
『怒りのセルフコントロール』の著者、R・ウィリアムズとV・ウィリアムズ夫妻によると、その方法は16ほどあるといいます。それらをケースバイケースで行うとよいということなのですが、怒りやすい人はそんなにたくさんの方法を覚えて実践するなどということは、難しいように思います。そこで、
彼らのいう16の方法のうち、自分が比較的やりやすいというものを2つ3つ選んで、行うのがよいのではないかと思います。 |
以下にその16の方法のうち、いくつかの概要を紹介します。
- ストップ法:
自分が怒りそうになったら「ストップ」と叫んで、思考を停止させる方法
- まぎらわせ法:
自分が怒りそうになったら、周囲にある気になるものに意識を集中して気をまぎらわせる方法
- ペット法:
ペットを飼い、そこに愛情を注いで、怒らないで、生き物を愛しむ自分をつくる方法
- 社会奉仕法:
ボランティアなどの利他的行動を経験し、人の痛みがわかることにより、弱者を労る自分をつくる方法
- 許容法:
無条件で相手を許すことにより、怒りを捨てる方法
- ユーモア法:
ユーモアを使ってマイナスの感情をプラスに転じる方法
怒りの逆で、小さなことにも感謝できるこころはストレスを最小限にします。セリエ博士は、悪いストレスから救われるには「感謝の気持ちが大切(感謝の原理)」だといっています。「おかげさま」という、自分が“今ここ”に存在するのは周囲のお蔭であるということを再認識することも大切なようです。
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