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こころの健康診断
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うつ病とこころの病気
INDEX
1 うつ病について
6 うつ病の方へのかかわり方
2 うつ病になるきっかけとは?
7 職場復帰と再発予防〔こころのリスクマネジメント〕
3 うつ病をチェックしよう チェックリスト
8 うつ病と自殺
4 うつ病の診断基準
9 職場で問題となる疾病とその対応 チェックリスト
5 通院・治療・服薬について
 
2:うつ病になるきっかけとは?
→なぜ「うつ病」になるのでしょう  →「脳の中」にあるうつ病の原因   →うつ病になる心理的きっかけとは   →ストレス・シンドローム   →うつ病になりやすい性格   →マタニティーブルーと産後うつ病
マタニティーブルーと産後うつ病
◆マタニティーブルーは一過性の現象で誰にでも起こりうる

いわゆる“マタニティーブルー”は、出産後2〜4日目ころより、何となく憂うつ、やる気が出ない、体がだるくてしんどい、眠れない、子供に愛情がもてないなどの抑うつ状態が出てくるのが特徴です。これは、出産後の内分泌系の急激な変動が原因とされており、一過性のもので、誰にでも起こりうるものです。

マタニティーブルーは現代の現象と思われていますが、産後のこの状態は、実は大昔からよく知られた生理現象です。妊娠、出産が女性の肉体や精神に与える影響は、思っている以上に大きいといわざるをえません。


◆マタニティーブルーから産後うつ病にいたることもある

マタニティーブルーは産院に入院している7〜10日ほどの間ゆっくりしていると、たいていの方は治ってしまい元気になります。しかし、なかにはそのままうつ状態が持続したり、一度は元気になったが、自宅に戻り、一人で無理を重ねているうちに(多くは産後10日〜3週目ごろから)、はっきりとしたうつ症状が認められるようになる方もおり、産後うつ病と診断されます。興味の喪失、強い不安と焦燥感が目立ち、食欲不振、不眠もみられるのが特徴です。そのうちに「自分は母親失格、とても子どもを育てる自信がない。取り返しのつかないことをしてしまった」と口走ったり、取り乱した行動が現れ、周囲もただごとでないと気づく状態になります。最悪の場合、母子心中や発作的な子殺しといった悲劇が起こりかねません。


◆産後うつ病は病気であることを理解し周囲に協力してもらう

マタニティーブルーから産後うつ病にいたる一連の病態には、妊娠、出産、授乳に伴う急激な身体変動、特に内分泌環境の変動によって引き起こされる心身の不調和という生物学的原因があります。しかし一般には病的な状態であるとは知られていないため、産後うつ病の状態をみて周囲の人は怠けていると勘違いし、「親になったんだから、子どものためにもしっかりしなきゃ」とか「今の若い者はいつまでも甘えていてしょうがない」と若い母親を叱ったり、励ましたりしがちです。

まず、出産により心身が疲れきったことによる病気であることを説明し、未熟な性格による甘えや母性の欠乏ではないことを周囲の人たちにも理解してもらう必要があります。疲れを取り除くために、励ますより十分に休養がとれるように手を貸すことが最も大切なことなのです。


◆産後うつ病は休養だけで改善しなければ薬物療法を行う

産後10日以上たっても、元気がなく、育児や家事が十分できない状態で、さらに笑顔もなければ、うつ状態を疑い精神科医を受診した方がよいでしょう。

産後うつ病では不安、焦燥感、混乱が強いことが多く、ときにはいかにも落ち着きがなく軽い意識障害(困惑状態)があるのではと思わせる方もいます。出産による心身の疲れであること、出産という大仕事を終えた女性には十分休養する権利と必要があること、治療すれば必ず元気になり、育児もちゃんとできるようになることを説明します。そのために薬物療法が必要なことを説明し理解してもらいます。

昏迷や焦燥が強ければ、抗うつ薬に加えて抗精神病薬も併用します。少し強い作用をもつ薬の投与で十分に鎮静させることが必要となります。薬物投与中、母乳の授乳は少なくとも1〜2ヵ月は断念してもらいます。
以後は経過をみながら、3〜6ヵ月の治療で寛解にいたることが多いようです。寛解にいたって治療が終了する際には、本人はすでに次の出産のことを心配しているものです。「次回の出産のときには、早めに必ず精神科医を受診し、うつ症状がもし出現したら、同じ治療を受ければよい」と説明しておくとよいでしょう。


◆産後うつ病では心中や子殺しが予想以上に多いことに留意したい

産後うつ病で、最も留意しておくべきことは、母子心中や発作的な子殺しが予想以上に多いということです。授乳中や添い寝中に、母親が乳房や枕で子どもの口と鼻をふさいで窒息させてしまい殺してしまうことがよくあります。

未然に防ぐために家族にはできる限り、母親と赤ん坊だけにせず、誰かがそばで見守り、手伝うようにしてもらい、目を離さないようにしておくことが大切です。もし、家族が付き添えなければ入院を勧めざるをえないこともあります。

  コラム --------------------------------------------------------------------------------------------- ・ 

「現代の母親は一人で育児のすべてを背負わなくてはならない」

そもそも明治のころまでは、母親一人で育児を背負い込むことはほとんどありませんでした。
大家族で暮らすことが多く、また近所づきあいも否応なくあり、多くの女性の目と手がありました。
育児は女性のコミュニティーの共同作業であったのです。

年長者は、嫁や娘に「産後は絶対無理をしてはいけない。赤ん坊は誰か看る人がいるのだから、産後の母親は十分休まなくては一生たたってしまう」と繰り返し言っていました。
産後の体調がいかに不安定でしんどいものであるかを昔の女性たちはよく知っており、母親の身を守る智恵をきつい労働の中で何とかしぼり出していたのです。周囲の温かい支援の中でマタニティーブルーも知らず知らずのうちに乗り越えていたものと思われます。

ところが大正、昭和、平成と激しい都市化と核家族化のなかで、若い母親が一人で育児のすべてを引き受けることが必要とされ、母親であればそれは当然のことだと受け取られるようになってきています。社会的要請から生まれた根強い母性神話のなかで、出産する現代の若い母親は、自分のからだやこころをゆっくりと癒す間もなく、育児をがんばらねばという責務を背負い込むことになります。その結果、マタニティーブルーや産後うつ病を意識することが多くなってきたと思われます。
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