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うつ病の治療:急性期治療
◆心理社会的・職業的機能の改善が目的
「急性期治療(6〜12週)」では、すべての症状をなくし、心理社会的、職業的機能の改善が目的とされます。医師から「薬を飲みはじめても、改善の兆しが現われるまでには1〜2週間かかります」と伝えられることでしょう。
抗うつ薬の効果はすぐには発揮されないからといって、「薬を飲んでも、うつ状態はちっとも治らない。それなら服薬をやめてしまおう」とあきらめては、治療になりません。
抗うつ薬によって、うつ病の症状でよくなる順序は、(1)睡眠と食欲、(2)体力、(3)気力、(4)思考力、(5)性欲です。うつ病は重い荷物をゆっくりと降ろすように軽快します。その間は、もどかしさとの戦いといえるでしょう。これらの症状が完全に消えたら、「寛解」と呼びます。
抗うつ薬で改善する順序
1
睡眠と食欲の改善。しかし夢が多くて寝た気がせず、目覚めはスッキリしない。料理を口にしても、味を感じない。
2
やがて体は少し軽くなる。気分は暗いままなので、動きたくても動く気力がない。「なぜ早くよくならないんだろう」と、焦りはじめる。
3
焦りの時期が過ぎると、気分のよい時間帯が夕方より午前中へと延びてくる。家族の目からは元気になってきたとみえる。しかし本人は絶好調の時期と比較するので、「まだ本調子ではない」と訴える。
4
穏やかに日々を送っていると、退屈感が出てくる。この時になって、復職について会社と話し合う。ただし復職に際しては、時間をかぎってやさしい業務から手をつける。休んだ分を急いで取り返そうと頑張れば、もとのうつ状態へ逆もどりしてしまう。
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