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励ましてはいけない理由
うつ病の方への対応例
家族のうつ病への理解が救いになる
家族に求められる10の心づかい
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うつ病の方への対応例 |
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◆うつ病特有の気持ちを理解してあげる |
うつ病の方は、自分で意識しているしていないにかかわらず「考えがまとまらない」、「どうしていいのかわからない」、「何をする気も起こらない」、「人に会うのが怖い」、「外に出られない」状態であることを、まわりにいる方は十分わかっておくことが重要です。
さらに、「悲しい」、「あせる」、「少しのことでくよくよしたり、小さな声や音がまるで大砲の音のように感じてしまう」ということ、また、前向きにではなく、後ろ向きにしか物事を考えられないといううつ病特有の気持ちをきちんと理解しておくことも大切です。
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◆本人の気持ちを再現してあげる |
といっても、相手の気持ちをそのまま再現して説明することは困難なことも多く、その場合、比喩を使って説明することが必要となります。
「あなたは、『やらなければ』と思っているのだが、まるでガソリンの切れた自動車みたいにアクセルをふかしてもふかしてもエンジンが回転しない。全く前に進まない状態と同じで、気がのらない、エネルギーが切れた状態なんだね」
「そのために、何事も思うようにできず、周りに『すまない』と思っていて、『どうしてこうなったんだろう』、『なぜできないのか』と自分を責めて全く自信を失っているんだね」
「『がんばれ』と言ってくれるその言葉はありがたく、それに応えようとするのだが、心と体がいうことをきかないために、結局何もできないで、ますます落ち込んで、その状態が悪化していく結果になるんだね」
などと説明します。 |
◆直接の「がんばれ」でなくてもそれに類する励ましも禁物 |
直接の「がんばれ」という励ましでなくても、ともすれば知らずに、それに類する内容の言葉を相手に投げかけることもあり、励ますということは単純な言葉だけではないことをよく理解しましょう。
たとえば、 「子どももまだ小さいし、お前がしっかりしなければこの家はどうなるんだ」
「このまま何もできなくてどうするの! 私たちはあなただけが頼りなのよ」
「君がいなければ会社はどうなるのだ。しっかりしてもらわなければ困るよ」
「気力の問題だよ。もっと精神的に強くなれ」
などの言葉が相手を追い込むことになります。 |
◆余裕をもって接することが大切 |
励ましている方は、決して悪気があってのことではなく、よかれと思ってのことです。家族ではなく、友人、会社の同僚などは、事情をよく知らないために、ときに励ましこそ必要と考えているからです。
これらの方たちに対しては、
「目の前に暗い顔をしていると、つい『しっかりしろよ』と言いたくなるのはわかります。しかし、ここはじっとがまんして『まあゆっくりしなさい、あわてることはないのだから』と余裕をもって接してもらうことが大切なのです」
と説明してあげましょう。
また本人には、とにかく「ゆっくり養生すること」を考えてもらい、安心してもらうことです。「○○さんにすまない、気をつかってもらって」と本人が言ったとしても、「気にせずゆっくり養生して、よくなってからまたどうすればいいのか考えたらいいのだから」と返すことも大切です。 |
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