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摂食障害 (拒食症、過食症)
体重や体型に対して異常な程のこだわりを持ち、主に低体重・スリムな体型を維持するために拒食や絶食をしたり、あるいは嘔吐や下剤・利尿剤を乱用するようになることの総称です。
摂食障害には、拒食症(神経性無食欲症)と過食症(神経性大食症)があります。
食べ物を拒むか、異常な摂取の仕方(過食、嘔吐など)をするか、あるいは両者を合併するかなど、出現の仕方にはバラエティーがありますが、本質は両者ともやせたいというこだわりがあり、拒食症から過食症へと移行することもあります。
◆摂食障害の心理
自分の生き方がうまくいかなくなった時、ダイエットに励み、「自分が自分のからだを思い通りにコントロールできる」という体験を通して、力感、存在感、達成感などが生まれます。こうすることでみじめさを感じなくすることが可能となります。
食べることに夢中になることで、淋しさ、むなしさなどのマイナスの感情を忘れることができるため、ストレス的現実の回避をすることができます。
家族や周囲の人の関心と気づかいを得られる。
以上のような利点もあるため、なかなか止めることができません。
◆要因
さまざまな要因が関与しています。
下記のようなものが、絡み合っていると考えられます。
性格
低い自己評価、完璧主義、自己主張が苦手で負けん気が強い
社会的
やせていることが良いとされる風潮、女性の社会進出(新しい価値と慣習の葛藤)、飽食の時代(コンビニ、ファーストフードなど)
家族
家庭内の人間関係、生育歴
▽
拒食症
診断基準
(1) 正常体重の85%以下(日本では80%以下ともいわれています)
(2) 太ることへの恐怖感
(3) 自分の体重、体型への嫌悪
(4) 無月経
症状
精神面
やせたいという願望と肥満への恐怖感があります。自分がやせすぎていることに違和感がなく、病気への認識も乏しいため、食事の量や体重を増やすように勧める周囲の働きかけを拒みます。
行動面
むちゃ食いをした後、指を入れて吐いたり、下剤や利尿剤を乱用することがあります。活動性は高く、勉強や習いごとに拍車をかけたり長時間運動したりします。また、万引きなどの犯罪行為をすることもあります。
身体症状
心不全、貧血、低血糖、肝障害、無月経、皮膚の乾燥、脱毛、可逆性の脳萎縮、骨粗しょう症などさまざまな症状が出現します。標準体重の50%を切ると、身体状況は厳しくなり、最悪の場合は死に至ることもあります。
▼
過食症
診断基準
(1) 抑えられない過食衝動
(2) 代償行動(絶食、嘔吐、下剤や利尿剤の乱用)
(3) (1)及び(2)が平均して3ヵ月間にわたり週に2回以上
(4) 体重や体型が自己評価に影響
症状
精神面
いらいら、自己嫌悪、抑うつ感を伴うことが多く、病気に対する認識はあり、自分から受診するケースもよくみられます。
行動面
家庭内暴力、薬物大量服薬、性的逸脱行為、自殺未遂などの衝動的な問題行動がみられます。
身体症状
糖尿病、高脂血症、食道炎、胃酸の逆流による歯牙腐食などさまざまな症状が出現します。
◆治療方法
薬物療法
生命の危険がある時は、入院治療となります。
うつ病や強迫性障害などを併発している場合は、抗うつ薬や抗不安薬を処方します
薬物療法
認知行動療法、行動療法、認知療法、家族療法などがあります。
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