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アルコール依存症
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毎日のようにお酒を飲むようになり、自らの飲酒行動を制御することのできなくなった状態です。
お酒を飲みたいという強い欲求に抵抗できなかったり、コントロールして飲酒することが難しくなります。アルコール血中濃度が上昇すると昏睡状態になったり、場合によっては死に至ることもあります。また、本人は現実をなかなか認めようとしないので、別名“否認の病気”ともいわれています。そのため、問題に気づいた人が受診や相談をすることが必要です。
アルコール依存症者に特徴的な飲み方に、「山型の飲酒サイクル」があります。これは、飲酒期と断酒期を繰り返すようになることです。お酒を飲み始めると止まらなくなり、嘔吐や下痢を繰り返して体力の限界に達すると飲酒をやめ、数週間から数ヵ月後にもういいだろう、とまた飲酒を始めるようになります。アルコールの効果が切れるとイライラ感、幻覚、手の震え、不眠、発汗、動悸、嘔気、けいれん、などの離脱症状が出現することもあります。
◆環境要因
コマーシャルのアルコールへのイメージ、安いアルコール飲料の販売、コンビニなど手軽に入手できる環境、アルコールに寛容な国民性…など
◆依存症のメカニズム
依存症には、他の多くの精神疾患と同じように、脳内の神経伝達物質の働きが関係していることがわかっています。人間の快感には、脳内のドーパミン神経系が関係しているといわれています。ドーパミンは、脳神経細胞のネットワーク内に“快感”を発生させることで、やる気を起こさせるための神経伝達物質です。依存症の人は、このドーパミンによる快感を求めて、快感を得られた行動パターンを繰り返します。
強い快感が続くと、神経伝達物質などが興奮を抑える方向で作用しはじめます。すると、今までと同じ量のドーパミンでは快感が弱くなります。この状態を“快感に対して耐性ができた状態”といいますが、耐性ができると、当然従来と同様の行為ではもの足りなくなります。
このようにして、依存症の人は、最初に感じた快感と同じ状態を常に感じていられるように、行為をさらにエスカレートさせていくのです。
◆主な特徴
感情の変化…飲酒時には怒ったり泣いたりと感情が高ぶる一方、酔いがさめると自分の非をわびるなど感情の起伏が激しくなります。
意欲の低下
集中力の低下…集中力が欠如し、作業能率が低下します。
理解力、判断力、記憶力の低下
行動…飲酒時に暴力をふるったり、暴れたりすることがあります。
◆社会的問題
事故
…飲酒による交通事故、転倒、凍死、暴力事件など
家族
…家庭内暴力、離婚、信頼感の喪失、近隣とのトラブルなど
仕事
…遅刻、欠勤、能率の低下、人間関係の悪化など
◆アルコールと身体合併症
依肝障害(肝硬変、アルコール肝炎など)、糖尿病、急性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、高血圧、大脳萎縮などさまざまな病気を併発する恐れがあります。
◆アルコール依存症の5つのタイプ
アルコール依存症には、以下のような典型的な5つのタイプがあります。
〈1〉問題飲酒型(酒乱型)
飲酒時に人格が豹変し、著しい興奮状態に達したり、そのときのことをまったく覚えていない状態に日常的に陥るタイプを、「問題飲酒型」といいます。
酩酊時には、犯罪行為や自殺願望が出やすく、注意が必要です。
〈2〉身体障害型
肝機能障害など、アルコールによって引き起こされる病気を患っているにもかかわらず、飲酒を止められないタイプです。
内科など、一般診療科の治療を受けながら節酒しようとしますが、それができずに症状が進みます。
〈3〉怠業型(酒乱型)
飲酒時には大きな問題はありませんが、学校や会社に遅刻したり、欠勤を繰り返します。主婦が隠れてお酒を飲む「キッチンドリンク」も含まれます。
〈4〉離脱症状型
お酒を飲んだあと、禁酒して7〜8時間を経過すると、発汗、手足の震え、イライラ感、不安感、不眠などが出現し、2日後ぐらいから筋肉の部分けいれん、全身けいれんが現れます。その後、幻をみる「幻視」や、そこにないものの感触を感じる「幻触」、小さな虫がいっぱい見えてしまう「小動物視」などの症状が現れます。
これらは「振戦せん妄」という状態で、約1週間で消えます。衰弱が著しい人や高齢者は、生命の危険をともなう場合もあります。
〈5〉精神障害型
幻聴と被害妄想が長く続く場合や、「アルコール嫉妬妄想」(配偶者の浮気を疑い、根拠なく確信するなど)があります。また、「ウェルニッケ・コルサコフ症候群」(もの忘れがひどく、空白をうめるために、つじつま合わせの話をする)になる場合があります。
また、長年の飲酒によって、脳の萎縮が進み、人格が変化する場合もあります。さらに、不安障害やうつ病、統合失調症などの精神疾患はアルコールによって悪化していくことがあります。
アルコールの血中濃度とその症状
血中濃度(%)
症 状
1期
0.05〜0.10
ほろ酔い、自分に対しての制御を解く、不安・緊張の減少、陽気、顔面紅潮、反応時間遅延
2期
0.10〜0.15
多弁、感覚の軽度鈍化、手指の震え、大胆になる、感情不安定
3期
0.15〜0.25
衝動性、眠気、平衡感覚麻痺(ちどり足など)、感覚鈍化、物が二重に見える、言語不明瞭、理解判断力障害
4期
0.25〜0.35
運動機能麻痺(歩行不能など)、顔面蒼白、悪心、嘔吐、昏睡
5期
0.35〜0.50
昏睡、感覚麻痺、呼吸麻痺、死亡
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