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自他に誠実に聴こう
人のことは、話を聞いても、ほとんどわからないといってよいでしょう。
しかし、「ほとんどわからない」ということは、まったくわからないのではなくて、「少しはわかる」ということにもなります。相手のすべてや、将来のことまではわからないにしても、今、目の前にいる相手のごく一部でも、瞬間的に共感できる場合もあるのですから、傾聴によってこのわずかな共通部分を、少しでも拡大していこうというのです。
それには、人の話をいい加減に聞いたり、あるいは自分の都合のよい点は聞き、そうでない部分は耳に入れなかったり、自分勝手に脚色したりするような聞き方であってはいけません。真剣に、自他に誠実に聴くことが大切です。
◆「聴く」ことは辛い行為
私たちは、他人の話を普段は「聞く」ですましていて、常時「聴く」という態度はとれないものです。聞く方は意識しないでもできますが、傾聴の方はかなりの努力が要るからです。聴覚作用自体は、それほどエネルギーを要さないらしいのですが、集中して聴こうとすると、かなりのエネルギーを消費するようです。
慣れないと、緊張して肩に力が入り、耳や目に気を集中させ、息をこらすなど、大変です。したがって、人の話を真剣に聴こうとすれば、人体の生理上個人差はありますが、大体1時間ぐらいが限度といわれています。それ以上の時間だと、頭の働きは鈍くなり、肉体的にも疲れがくるし、聴くことに集中できなくなってしまい、あとは時間とエネルギーのムダということになります。
いかに人の話を聴くことが辛いかを示唆する仏教説話があります。
「生きている間、ありとあらゆる悪業を重ねた男が、死んで地獄に堕ちた。閻魔大王の前に引き出された男は、大悪人だっただけにすっかり観念し、見る目嗅ぐ鼻の、読み上げる罪状のすべてを素直に認めた。大王は、その殊勝な態度をよしとし、男に針の山に座る刑と、地獄の亡者たちの愚痴や悩みを聴く刑と、二つのうちどちらかを選ばせるという特典を与えた。男は『そんな、話を聴く刑なんて、とんでもねえ。針の山に座る方が、よっぽどましでさぁ』と言って、さっさと針の山に向かった」というものです。
昔の人も、人の話を聴くことは、このくらい大変だと知っていたようですが、これは「聴く」ことを仕事とするような立場の人のことで、一般的には、対人関係の中で、ここぞというときに実践できればいいのです。10分、20分、あるいは30分から1時間ほどの話し合い中、一瞬でもあればないよりはずっとましです。
「ここぞ」というところはまったく予測できません。話し合いの流れの中で、突然そのような瞬間、相手の言動が出てくるのです。ですから、聴き手の感性・能力が頼りです。いわゆる第六感が教えてくれて聴くことができれば、これに越したことはありません。
最初から聴こう、理解しようと構えると、かえってそれにとらわれて人の話が上の空になるし、人と話し合う度にそんなことを意識したのでは、こちらの身が保ちません。この能力は、習うより慣れろで、体験によって培うほかはないでしょう。そしていずれは、意識せずに聞いていて、自然に相手の言わんとするところや、気持ちなどが、「聴こえる」ようになればいいのではないかと思います。
しかし、よほどの天与の資質に恵まれているならともかく、最初のうちは不自然さやぎこちなさがあって当たり前で、無理を承知で実習訓練を重ね、何百回も実際に体験しなければならないでしょう。それを持続していけば、おのずと望ましい聞き手になることができますし、その体験が同時にあなたの人間性を発展させ、対人関係においても、他人の信頼を得るようにもなります。
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