部下 |
「課長、ちょっといいでしょうか」 |
上司 |
「なんだね」 |
部下 |
「例のS社の代理店契約の件なんですが、どうも先方の部長が乗り気じゃないようなんですよ」 |
上司 |
「九分通りOKだと思っていたのに、それは意外だね。何か問題があったのかね?」 |
部下 |
「実は新興のF社が販路の拡大を狙ってS社に攻勢をかけているんです、その窓口が部長なんですよ」 |
上司 |
「で、君としてはどうしたいと思ってるんだ?」 |
部下 |
「いろいろ考えてはみたいんですが、今のところ先方の出方待ちで、手詰まりの状況です」 |
上司 |
「どうだろう、私の話が参考になればと思って話すんだが、聞いてもらえるだろうか」 |
部下 |
「はい、なんでしょう?」 |
上司 |
「実はS社の部長は、人脈を買われて他社から引き抜かれた人らしいんだ。もしかしたら以前との関わりがあって、断るに断れない状況があるんじゃないかな」 |
部下 |
「そうなんですか?」 |
上司 |
「本当はF社を断る口実があれば、と思っているかもしれないな」 |
部下 |
「あ、なるほど。じゃあ、うちと契約することで、いかにメリットが大きいか、他の代理店の資料も使って、部長にプレゼンをかけてみましょうか?」 |
上司 |
「それはいい考えだな。で、どういう段取りを考えているんだい?」 |
部下 |
「早速、代理店ごとのデータベースを引き出して、プレゼンの資料を作ります」 |
上司 |
「君が自分で考えた作戦だ、きっとうまくいくよ」 |
部下 |
「はい、ありがとうございます」 |