上司 |
「もう展示会の準備は大分進んでいるのかね」 |
部下 |
「はあ、ちょっと気掛かりなことがありまして、ご相談しようと思っていたんですが・・・」 |
上司 |
「気掛かりなこと?何かね」 |
部下 |
「うちのブースは、新機種を全面に出して他社との差別化を強調するんですよね」 |
上司 |
「ああ、そうだが、何か問題があるのかな。いまなら間に合うから、君の率直な意見を聞かせてくれないか」 |
部下 |
「はい、他社と横並びで新機種を打ち出しても逆に個性が埋没するような気がするんです」 |
上司 |
「ああ、それは私も感じるよ。毎年、どこのブースも似たような光景だからね。それで、何か考えているのかい?」 |
部下 |
「能力的には従来機種で充分ですから、むしろ、各機種の機能の違いを前面に押し出して、その最上位に新機種が位置するといった構成ではどうなんでしょう」 |
上司 |
「なるほど、そういう考え方もあるね。ただ、よそのセクションとも合意済みの案件だから、君の考え方を活かすためには、何が必要だと思う?いくつかの方法が考えられるんじゃないかな」 |
部下 |
「まず、もう一度、全体会議を課長の力で招集してもらうことでしょうか。あるいは事前に各部署のチーフに個別に打診してみる。もうひとつは、社内向けのプレゼンを行って、合意の機運を盛り上げる。そんなところでしょうか」 |
上司 |
「君としては、どれが妥当な案だと考えているのかな?」 |
部下 |
「いきなり全体会議じゃ反発もあるでしょうから、まず、社内向けのプレゼンができれば、と思っています」 |
上司 |
「そうだな、新機種を中心に他の機種の機能性にも注目した資料作りが必要かもしれないね」 |
部下 |
「そうですね。早速やってみます」 |
上司 |
「もしうまくいったら、どうなると思うかね?」 |
部下 |
「感触が良ければ、うちのブースにユーザーが殺到するかもしれませんね」 |
上司 |
「君がブースの中でイキイキとプレゼンしている姿が目に浮ぶよ」 |