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励ましてはいけない理由
うつ病の方への対応例
家族のうつ病への理解が救いになる
家族に求められる10の心づかい
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家族に求められる10の心づかい |
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家族の接し方や態度によって、本人の回復を早めることもできますし、逆に悪化させてしまうことにもなります。これからあげる10の心づかいを念頭において、接することが大切です。
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たとえば、主婦がうつ病にかかった場合、十分に家事ができない状態にもかかわらず食事を作ろうとしたり、逆に食器を汚れたままにしておいたりということがよくみられます。
まわりの家族は、それを責めないことはもちろんですが、ただ「病気なのだからしかたがない」と慰めるだけではなく、手分けして食事の後片づけをしたり、外食するなどの解決策を話し合い家族全員が協力して、本人が心おきなく休養できる環境をつくることが大切です。
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「なぜ、わが家からうつ病が出たのか」「小さいときに甘やかしすぎたのが悪かったのか」等々、いっしょに生活している家族は、病気前の本人の様子を知っているだけに、なかなか現在の状況を受け入れることができず、原因追求を家のなかに求めがちになります。
感情的な“犯人探し”はうつ病の方を追いつめることになるだけで、問題は何も解決しません。 |
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精神的な問題というと、家族の一員であるうつ病の方に対してもつい身がまえてしまうところがあります。気になることがあっても言いにくく、家族関係がぎくしゃくしてしまうことにもなります。
本人に対して、まわりの方があまり神経質になりすぎると、本人自身が「自分はそんなに大変な状態なのだろうか」とかえって不安を強めてしまうこともあります。あまり心配しすぎないで、うまくいかないことは、そのときどきに解決していこうという気持ちでいましょう。
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一見、健康体なのに、家のなかで無気力にゴロゴロしているのをみると、ついつい「怠けている」「だらしない」などと責めたくなります。
しかし、本人も好きでそうしているわけではないのです。本人の責任ではなく、すべて病気のせいであることをわかってあげましょう。きびしい言葉で責めれば、本人は自己否定を強めるばかりです。
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よく「がんばって」という言葉を、あいさつがわりに口にしますが、この言葉は、うつ病の方には禁句です。
うつ病の方は、“自分がしっかりしなければいけない”という呪縛に悩んでいるといってもよいでしょう。ただでさえ自責の念にかられているところに、励ましの言葉をかけるのは、よけいな精神的負担を強いることになります。ますます孤独に陥って「がんばれない自分なんていなくなったほうがまし」と自分を追いつめてしまうこともあります。
せいぜい「大丈夫だから気持ちを楽にもちましょうね」くらいでとどめておいてはどうでしょう。 |
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うつ病の方が家にこもりっきりでいるのをみて、何か気晴らしになることをさせたほうがよいのではと、外出、娯楽、旅行などの気分転換をすすめる家族がいます。からだを動かさないから食欲が出ないし、眠れないのだ……と運動を奨励することもあるようです。
うつ病の方は、状況の変化に非常に脆いという特徴があるので、にぎやかな場所や慣れない環境のなかに身をおくことは大きな精神的負担となります。
家族が元気いっぱいの自分の感覚で、あれこれ休養プランに口出しするよりも、本人がしたいようにさせておくのがいちばんです。 |
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うつ病の方は、人嫌いになっている反面、強い孤独感を感じて、家族に自分の本音を聞いてもらいたいと思っています。ときには、悩みや弱音を家族にもらすこともあるかもしれません。そんなとき、悩みの解決策を与えられなくても、ただいっしょにいて話をじっと聞いてくれる人がいるだけで、本人に大きな安心感を与えることができます。
ただし、このとき批判や説教をしてしまうと、逆に心の負担を重くしてしまいます。グチを含めて、本人の苦しい状況を共有するつもりで、耳を傾けてあげましょう。
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うつ病を治すためには、医師の指示どおりに抗うつ薬をきちんと服用しつづけることが必要です。薬をまとめ飲みしたり、飲み忘れたり、あるいは勝手に服用をやめたりしていないか、家族も常にチェックするよう心がけてください。
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一見、よくなっていると思えるのに、ぐずぐずと訴えが続いたり、午後からは調子がよいのに、朝になると出勤の決心がつかなかったりすると、家族はそれを逃避や意志の弱さなどと考え、つい非難したくなります。本人は非常に傷つきやすい状態にあり、「まだ、治らないの?」「もう、いいんじゃないの?」などという言葉は、病状を悪化させるばかりです。
早すぎる復帰と、それによる挫折は病気を長引かせます。まだ十分によくなっていない段階で、焦りを誘うのは禁物です。 |
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うつ病の方は一般に症状が軽くなってくると、早々に社会復帰を望むものです。職場に迷惑をかけているという強い自責の念から「もう大丈夫。明日からでも仕事に行ける」とがんこに早期の復帰を主張することもあります。
回復が不十分であればあるほど、こうした“焦り”が強く、その状態で復帰すれば、再発の危険性が高くなることはいうまでもありません。本人がゆったりした気分でかまえていられるよう、家族がうまくブレーキをかけてあげてください。 |
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