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Contents
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こころの健康診断
「治すためのメンタルヘルス」から、『予防し高めるためのメンタルヘルス』へ
うつ病とこころの病気
INDEX
1 うつ病について
6 うつ病の方へのかかわり方
2 うつ病になるきっかけとは?
7 職場復帰と再発予防〔こころのリスクマネジメント〕
3 うつ病をチェックしよう チェックリスト
8 うつ病と自殺
4 うつ病の診断基準
9 職場で問題となる疾病とその対応 チェックリスト
5 通院・治療・服薬について
 
5:通院・治療・服薬について
→医師は最高のサポーター   →うつ病であることを自覚するまでのプロセス   →診療科目について知っておこう   →うつ病を治すための7つのポイント   →うつ病の治療:急性期治療   →うつ病の治療:継続期・維持期治療   →うつ病が慢性化した場合   →新しい抗うつ薬として登場したSSRI
新しい抗うつ薬として登場したSSRI
1970年代の後半から、セロトニンかノルアドレナリンのいずれかを比較的多く高める抗うつ薬が登場してきました。これらの薬物は効果は弱いものの、抗コリン作用という副作用が少ないため、軽症や中等症のうつ病に好んで使われるようになったのです。

1970年代前半に開発されたフルオキセチンという薬があります。この薬は神経終末への再取り込みをセロトニンのみ選択的にストップさせ、脳内でのセロトニンの活性を高める働きをもっていました。
当時、研究者はセロトニンとノルアドレナリンの両者の物質量を高める薬なら抗うつ薬として使えると考えていました。セロトニンへの作用しかないフルオキセチンは薬としてはとても使えない、と放置されたままだったのです。

しかし、セロトニン片方だけへの作用でも抗うつ効果は出るのではないかと考えられ、フルオキセチンの存在が浮かびあがり、ついに1988年、米国でプロザックという商品名で販売され、爆発的に売れるようになったのです。プロザックは今までの抗うつ薬と違い、副作用は少なくなっています。
プロザックはセロトニンの再取り込みを選択的に邪魔して脳内でのセロトニンの活性を高めるので、「選択的セロトニン再取り込み阻害薬」と呼ばれています。英語ではselective serotonin reuptake
inhibitor と書き、頭文字を集めてSSRIと略します。

わが国では1999年よりプロザックとは別のSSRIであるフルボキサミンが臨床の場で使われるようになりました。薬理学的には受容体と結合しないので、抗コリン作用や抗ヒスタミン作用などは起こしません。
抗ヒスタミン作用はうつ病の発病率が高い女性に深刻な悩みをもたらしました。この作用は抗うつ薬だけでなく、アレルギー疾患を治す薬でも起こることが知られています。眠くなる(鎮静作用)うえにお腹がすくので、食べては寝る生活を送り、結果として体重が増えるのです。

この抗ヒスタミン作用がSSRIにはありません。消化管へ働くセロトニン系神経を介して食欲を抑え、体重をむしろ減らすのです。この作用に期待して、SSRIを過食症の治療薬として使うこともあります。
また、心臓への影響もありません。今までの抗うつ薬にはキニジン様作用が認められました。キニジンとは不整脈の薬ですが、作用が強すぎると心臓の動きが逆に不規則になります。そのため心臓病がある方へは、抗うつ薬は使いにくいものでした。
抗うつ薬は立ち上がるときに血圧を下げることがあります。高齢者では転倒して、骨折する場合もあるのです。SSRIはα1アドレナリン受容体と結合しないので、こうした起立性低血圧を起こしません。そのため、高齢者や低血圧気味の若い女性に使いやすい薬といえます。

そのほかでは、SSRIは血液中に残る時間が長いので、薬は脳内に長く存在します。服薬が1日に朝1回か、朝夕の2回ですみ、たびたび服用する面倒が減るのです。
SSRIは中等症のうつ病を中心に、種々の重症度のうつ病に対して効果のあることが示されています。そのほかにもパニック障害や強迫性障害、摂食障害、社会恐怖(社会不安障害)などに対する有効性が臨床的に証明されています。

SSRIのよい点を並べてきましたが、重要な抗うつ効果はどうでしょうか。過去の報告をもとに比較すると、以前の抗うつ薬とSSRIは、中等度以上の改善がともに70%前後であり、有効率で変わりはありません。
ただし重症なうつ病の方には、SSRIより三環系抗うつ薬のほうが有効です。そこで米国では、SSRIは副作用が少ないことから、中等度のうつ病での第一選択薬となっています。

SSRIの利点

1

抗コリン作用が少ないので、口の渇きや便秘、尿の出にくさが軽い。

2

抗ヒスタミン作用が弱いので、車の運転などに影響する眠気や体の動きを鈍くする作用が少ない。食欲を増し、体重を増加させることも少ない。

3

自殺を目的として大量に服薬しても、キニジン様作用が弱いので、心臓に及ぼす影響が少なくて致死的とならない。

4

α1アドレナリン受容体への作用が軽いため、起立性低血圧やめまい、頻脈をおこすことが少なく、高齢者でも使いやすい。

5

半減期が長いので、1日1回から2回の服薬が可能である。

6

三環系抗うつ薬と同等の抗うつ効果をもつが、副作用が軽度なため、三環系抗うつ薬と比べて、服薬の中断や長期投与による生活への支障が少ない。
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