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生きるとは、いつもコンテント(内容・課題)とプロセス(関係的過程)との絡み合いの中に自分を置くことといえます。例えば、企業人は仕事(コンテント)をしながら、自分の心の中で起こっていることや気持ちの変化(プロセス)に影響を受けていますし、上司や同僚との関係(プロセス)、また、グループの中の自分や他者のありよう(プロセス)に心を砕いています。そして、コンテントとプロセスは、ちょうど車の両輪のような関係にあるといってよいでしょう。
ファシリテーターはコンテントではなくて、プロセスに関わっていく人です。
ここでプロセスといった場合、2つのプロセスがあります。ひとつはコンテントレベルのプロセスです。つまり、仕事をしている時、仕事がどのように進んでいるのか、うまく運んでいないとすれば何が障害になっているのかに関することです。仕事の中身そのものではなくて、進め方などその進行中に起こっていることに焦点を当てます。ファシリテーターとしては、仕事がある結果を生み出すように指示命令して、あるいは、方法も指示してやらせるのではなくて、仕事の進め方などに関して、本人やグループが目を向け、自身で問題の解決ができるように援助していくことになります。自分の力で問題が解決できた時の実感は、そのまま、自信を生み出すでしょうし、モチベーションを高めることになります。同時に、仕事も充実したものになります。
もうひとつは、関係レベルのプロセスです。プロセスそのものと言ってよいでしょう。
個人やグループの心理的側面に焦点を当てることです。
個人に関して言えば、何かをしている時に、その人の内面で起こっていることに目を向けることです。仕事をしながらイライラしている自分に気づいたり、ウキウキしている自分に気づくこともそうでしょう。
他者やグループのことで言えば、互いにどのような気持ちでそこにいるのか、自分の言動が相手やグループにどのような影響を与えているのかなどに、目を向けることです。
私たちは自分で自分に気づかないことがたくさんあり、また、なかなか自分やグループの内側には目を向けないものです。しかし、物事の本質を見ようとすれば、そのことに関わっている人たちやグループの心理的側面に焦点を当てることは必須です。そのためには他者の援助が有効です。
ファシリテーターの役割は、その人やグループの気づきを促進することですが、ただ、気をつけなくてはならないことは、あくまで、気づくのは自身であって、ファシリテーターが気づかせるのではないということです。ともすれば、親切心からそこに足を踏み込んでしまうことがあるので要注意です。ファシリテーターとしては、精神的なサポートも含めて、気づきが容易になるような場づくりに徹することが望まれます。 |
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