部下 |
「・・・ということで、彼は会議の運営に関してはまったく改善が見られないのです。手を焼いているんですよ。こんなことを相談するのも気が引けるのですが、いったいどうしたらいいでしょうか?」 |
上司 |
「ちょっと整理させてもらうよ。B君に今まで口をすっぱくして指導したけれど、一向に改善が見られないということだね」 |
部下 |
「はい、そうです」 |
上司 |
「他にはどんな工夫をしたの?」 |
部下 |
「怒ってもみました。彼に反省文も書かせました。会議運営のマニュアル本を紹介しました。事前準備したものを見せてもらうということもしました。でも当日出てくるのは言い訳ばかりです」 |
上司 |
「その他に考えられることで、まだやっていないことはあるかな?」 |
部下 |
「・・・・・・」 |
上司 |
「できること、知っていることはすべてやり尽くしたということかな?」 |
部下 |
「なにせ、私も一方的に話すのはそれなりに経験を積んでいますが、司会進行となると経験が少なくて」 |
上司 |
「そうか。私のアイデアを言ってもいいかな?」 |
部下 |
「お願いします」 |
上司 |
「まずは慣れるまでは準備がすべてだ。私自身の準備の仕方だが、今から5つのポイントを話すよ。まずは会議の意図を明確にする。制限時間を確認し、スケジュールを作る。参加者リストを見ながら、彼らの利害を想定する。そして会議の最初の10分間をリハーサルするんだ。リハーサルは通勤途中でもできる。最後に会議の結果はどうなるか分からなくても必ず言うメッセージだけは事前に用意して覚えておく。これだけの準備だが、私の経験では40分前後でできるんだ。B君に、こういう具体的な準備の仕方を教えて、実際にリハーサルに付き合うというのはどうだろうか?何かヒントになるかな?君だったらどんなふうに応用できるかな?」 |
部下 |
「具体的に準備させるといいのですね。なんとなく分かってきた感じです。そうですね、私だったら・・・」 |