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精神障害の分類と診断名
統合失調症
躁うつ病(気分障害)
神経症
摂食障害(拒食症、過食症)
パーソナリティー障害
薬物依存症
アルコール依存症
久里浜式アルコール依存症
依存症の種類
心身症
外傷後ストレス障害(PTSD)
急性ストレス障害
適応障害
自律神経失調症
自律神経失調症調査表
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◆特徴的な症状 |
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妄想 |
非現実的で偏った独断的な考えに基づくものです。 例)他人が心の中を読み取ってしまう、誰かが監視していて殺そうとしている
自分を操ろうとしている…など
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幻覚 |
現実にはない声に話しかけられたり、命令されたりします。たいていその声は、否定的、批判的で恐ろしいことを話しています。 |
まとまりのない知覚 |
周りの音や匂い、味などの意味が分からなくなり、当たり前のことを歪んだ形で認識しておびえてしまいます。 |
混乱した思考とまとまりのない会話 |
一貫性のある話をしたり、筋道立った会話をすることができなくなることがあります。 |
まとまりのない行動 |
意味のない行動をしたり、リズミカルな動作を繰り返したり、長時間同じ姿勢や行動をとり続けるようになることがあります。 |
感情の平板化 |
感情を感じなくなったり、自分が何を感じているのかが分からなくなったりします。また、他人の感情を理解することができなくなることもあり、他人と関わることが困難な場合があります。
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意欲の低下 |
あることを始めたり、いったん始めたことを続けたりすることが困難になることがあります。
上記のような症状のほかに、仕事、対人関係、自己管理などのような社会的機能の低下もみられます。
幻覚や妄想は他の精神疾患や身体疾患でも出現することがありますので、素人判断は危険です。
できるだけ早い段階で受診することが不可欠です。 |
◆3つの分類 |
統合失調症は、主に「妄想型」「解体型」「緊張型」の3つのタイプに分けられます。
「妄想型」は、多くは20代後半〜30代と、比較的高齢で発病します。意欲面や感情面には障害が少ないのですが、妄想や幻聴が顕著で、周囲の出来事を特別な意味に解釈します。
たとえば「誰かが自分をあやつっている」など、ものごとの誤った意味づけをしたり、独断的な考えをすることが見受けられます。
「解体型」は、以前は“破瓜型”と呼ばれていたもので、思春期など早期に発病することが特徴です。生活への意欲や関心が低下するため、身辺はだらしなくなり、他人を避けてひきこもるようになります。
「緊張型」は、ろう人形のように動かない「カタレプシー(蝋屈症)」、または外界の刺激に対する反応を示さない昏迷を主症状とします。
そのほか、無目的な過度の運動、動機のない拒絶、同じ動作を反復し続ける“常同運動”などがみられます。 |
◆治療方法 |
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薬物療法 |
抗精神病薬などの薬物治療を中心に行います。自己判断で服薬を中断すると、後から必ず精神状態を悪化させるので、服薬がきちんと行われているかがとても重要です。抗精神病薬は感情の不安定、妄想、幻覚、思考の障害を軽くする薬です。また、意欲の低下、閉じこもりがちといった症状に効果のある薬もあります。薬については、医師の指示に従い疑問点は相談するようにしましょう。
統合失調症を初めて発症し、急性期を過ぎて陽性症状が現れなくなってきたあとでも、予防的に抗精神病薬を服薬しないと、1年以内に70〜80%の高率で再発するといわれています。
最近では、精神科の診療所(クリニック)が増え、外来での治療が容易になってきました。しかし、症状が激しかったり、妄想や幻覚により言動が大きく影響されてしまう場合や、自殺を企てる可能性がある場合などは、外来通院だけでは対応できないので、入院が必要になることもあります。
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精神療法 |
薬物療法に加えて、ストレスに対処してこころの安定をはかるための心理的療法や、社会生活の障害に対する生活技能訓練(SST)、家族関係の調整のための家族療法などを医師の指示のもとに行います。
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◆対応および受診の勧め方 |
症状が急激に出てくる場合、ゆっくりと出てくる場合にかかわらず、本人の奥に隠されている悩みを受け取る気持ちで相談を聞いたり、受診を勧めることがポイントです。「今までの自分とは別の自分がいるような気がする」といった、通常では理解し難い行動をすることもありますが、非現実的だ、などと頭から否定せずに、「それはつらいだろう。一度専門家に相談したらどうだろう」などと応対することもポイントになります。
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◆職場復帰に際しての対応 |
比較的長期の休養を必要とする場合があり、管理者は担当医と連絡をとり、病状や見通しを把握するとともに、職場として治療や復帰に協力できる態勢を整備しておくことが必要です。
また、復帰時には、自然な雰囲気で迎えるようにし、職務内容は、軽い作業や単純な仕事から対人的な仕事へと移行していくのがいいでしょう。再発予防のために通院や服薬が必要な場合もあり、その点についても理解を示す必要があります。 |
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