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心身症
日本心身医学会の定義
身体疾患の中でその発症と経過に心理社会的因子が密接に関与し、器質的ないし機能的障害が認められる病態のことです。ただし、身体症状を訴える神経症や、うつ病などの精神疾患に伴う身体症状は除外します。
心身症に至りやすい疾患は数多く、消化器系では胃・十二指腸潰瘍や神経性下痢、循環器系では高血圧症、偏頭痛などがその代表です。
喘息や各種アレルギー、じんましん、円形脱毛症、頻尿、夜尿症、月経障害、インポテンツ、めまい、耳鳴りなども心身症と関連の深い病気です。
神経症と心身症の相違を説明する概念として失感情症が知られています。これは、自分の内的な感情への気づきとその言語的表現が制約された状態といえ、心身症の方はこの失感情症の傾向が強く、社会適応の面からみると過剰適応の傾向がみられます。
また、心身症を生活習慣や行動様式の面から捉えていく考え方もあり、生活習慣の乱れや持続する慢性ストレス状態から心身症に至るケースが存在することに注意を向ける事も必要です。
◆発症のメカニズム
心理社会的なストレス因子が影響しており、ストレス因子を視床下部が感知し、自律神経系、内分泌系、免疫系の機能に変調をもたらします。
自律神経系の変調:
交感神経と副交感神経のバランスが乱れ、胃・十二指腸潰瘍や高血圧などの症状が出ます。
内分泌系の変調:
ホルモン分泌に障害が起こり、甲状腺機能亢進症、無月経症などの症状が出ます。
免疫系の変調:
リンパ球の減少、免疫反応の変化などが感染症、アレルギー性疾患、などにつながります。
心身症との関連として配慮が必要な疾患
循環器系
本態性高血圧症、本態性低血圧症、起立性低血圧症、狭心症、心筋梗塞、一部の不整脈など
呼吸器系
気管支喘息、過換気症候群、神経性のせきなど
消化器系
胃・十二指腸潰瘍、慢性胃炎、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、慢性肝炎、胆道ジスキネジーなど
内分泌・代謝系
神経性大食症、神経性無食欲症、甲状腺機能亢進症、単純性肥満症、糖尿病など
神経・筋肉系
片頭痛、緊張型頭痛、痙性斜頸、書痙、自律神経失調症、チックなど
皮膚科領域
慢性じんましん、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、多汗症、神経性皮膚炎など
泌尿・生殖器系
夜尿症、神経性頻尿、インポテンツなど
産婦人科領域
更年期障害、月経困難症、無月経、不妊症など
眼科領域
原発性緑内障、眼精疲労、眼瞼けいれんなど
耳鼻口腔科領域
メニエール症候群、アレルギー性鼻炎、咽喉頭異常感症、吃音など
ここで、よくみられる過換気症候群と過敏性腸症候群を簡単にご紹介します。
過換気症候群
呼吸中枢を制御するシステムに異常が生じて呼吸が乱れ、息が吸えない、いくら吸っても空気が足りない、などのような感じがして、呼吸が浅く、速くなり、胸部に圧迫感を感じます
●症状
手足や唇のまわりのしびれ、動悸、冷や汗、めまい、胸部の圧迫感…など。
しびれの症状は、呼吸を浅く速くするため血液中の酸素が増えすぎ、アルカリ性に傾くために起こります。また、血液に酸素があふれてくると血管が一時的に細くなって、血液の流れが悪くなります。血管が細くなるに伴い、交感神経の働きが強まり、動悸、胸の圧迫感などの症状が出現します。若い女性に多い疾患で、不安や緊張といった精神的なストレスが引き金となって発作が起こると考えられています。
●症状が起こったときの対処方法
紙袋を口に当て、何度も息をします。こうすることで、自分の吐いた息に含まれる二酸化炭素を吸って、血液中の二酸化炭素の量を増やしていきます。
過敏性腸症候群
よくみられる症状として、朝の出勤時や通勤時になると便意を催し、トイレに何度も駆け込んだり、会議などの緊張を要する場面になるとトイレに行きたくなったりします。重くなると欠勤や遅刻が多くなったり、人とのつき合いに支障がでてきます。下痢、便秘、両方の交替型、があり腹部の不快感、腹痛、腹部の膨張感があります。身体的な検査をしても器質的な異常がなく、機能面での異常のみが認められる疾患です。また、うつ状態、閉所恐怖症、パニック障害などが高い合併率を示しています。
◆B.M.W(Bowel Mobillity Workshop)クラブの診断基準
以下の
1.
と
2.
の症状が1ヵ月以上繰り返されること
腹痛、腹部不快感あるいは腹部膨張感がある
便通異常(下痢、便秘あるいはその交替性)
・排便回数の変化
・便性状の変化(硬い便〜うさぎの糞のような便/軟便〜水様便)
器質的疾患の除外のためには、原則として下記の検査を行う
・尿、便、血液一般検査
・注腸造影または大腸内視鏡
◆心身症に罹りやすいタイプ
タイプA行動:
タイプAの人はそうでない人に比べて、狭心症や心筋梗塞などの心疾患に罹りりやすいといわれています。(タイプA行動についての詳細は、「
ストレス雑学
」をご覧ください。)
アレキシサイミア:
失感情症や、失感情言語化症とよばれるもので、自分の内面の感情をうまく自覚できず、適切に言葉で表現できない状態のことをいいます。
過剰適応:
責任感が強く、周囲の期待に過剰に応えようとして、自分を抑え自己犠牲的にふるまうタイプのことです。
◆治療方法
薬物療法
身体症状に合わせた一般内科ないし臨床各科の治療をまず行い、身体的苦痛を和らげます。
不安や抑うつ気分がある場合には、抗不安薬、抗うつ薬、睡眠薬などが投与されます。
また、投薬だけでなく、生活指導(食事、睡眠、運動、仕事、趣味)も取り入れます。
精神療法
行動療法、認知行動療法、交流分析、内観療法、家族療法、ゲシュタルト療法などさまざまな療法がもちいられます。また、自律訓練法、筋弛緩法、バイオフィードバック法なども効果があります。
◆対応および受診の勧め方
心身両面からの治療が必要であることが多く、専門に扱う診療部門は、心身医療科、心療内科などと呼ばれます。(ただし医療機関によっては内科や神経科が担当することもあります。)
十分な検査を勧めることなどがポイントになります。
◆職場復帰に際しての対応
慢性化した場合など、受診・治療する医療機関を転々と変え、心身症としては同じでも、種々の診断名による病欠を繰り返す場合があります。なかには、本人自身がからだの病状のみを問題視し、治療をなおざりにしていることもあります。家族や産業医と相談し、しっかりとした治療を受けさせるとともに、それにそった協力態勢をつくることが望まれます。
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