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Contents
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セクハラ&パワハラ
INDEX
1 セクハラとは
9 叱り方の11法則
2 職場におけるセクハラ防止対策
10 組織のあり方とパワハラ
3 パワハラとは
11 パワハラ加害者度チェック
4 パワハラの範囲
12 パワハラをしやすい人
5 パワハラの社会的背景
13 パワハラ被害者度チェック
6 パワハラが及ぼすダメージ
14 被害者に多いタイプ
7 パワーの6タイプ
15 被害者になってしまったら
8 パワハラの段階
16 管理者へのアドバイス
16:管理者へのアドバイス
→パワハラは人間関係の問題  →自分の本音を探る
パワハラは人間関係の問題
言うまでもありませんが、パワハラは人間関係の問題です。ガイドラインやマニュアルのとおりにすべてが割り切れるわけではありません。ある言動がパワハラになるかどうかは、そのベースにある人間関係に大きく左右されます。

また、パワハラはセクハラのように「相手が精神的苦痛を覚えるかどうか」を判断基準にするわけにはいきません。それが業務上正当なものであっても、叱責されたり意見が食い違えば不快に感じるのは当然だからです。キャリアを高めていくためには、ある程度の苦痛や困難に直面することはむしろ必要なことであるとさえいえます。

このあたりの事情がパワハラ問題を複雑にしているのですが、パワハラ判断基準の「レッドゾーン」は論外としても、「イエローゾーン」「グレーゾーン」をどう判断するかは、相互の人間関係、言い換えれば「コミュニケーション」のとり方によるところが大きいのです。


◆コミュニケーションをとることは難しい

コミュニケーションは情報を発する自分とそれを受け取る相手がいます。たとえば自分が「それは難しいね」と言ったとします。その情報は自分の価値観や経験などに基づいて出てきたものです。また、そのことばが発せられた声の調子や抑揚といった要素もあります。発信者の姿勢や態度、しぐさも含めて伝わるわけです。さらには、その相手も自分の過去の経験や価値観、今の状況を背景にして受け取るので、「それは難しいね」ということばの解釈はいろいろと分かれることとなります。

価値観がひとつしかない社会では全員がほとんど同じように情報を受け取ることができますが、背景が違えば解釈は違ってきます。つまり、情報はことばの内容だけでなく、ことば以外の表現手段を使って伝えられ、しかもそれぞれが持つ価値観や背景によって伝わり方が違ってしまいます。同じ行為をある人はパワハラと受け取り、ある人は適正な指導と受け取るのもこうした違いから生まれます。つまり少なくとも、コミュニケーションをとることは基本的には難しいものだ、という前提の下に行うことが大切なのです。


◆自分の持っているパワーを知る

「私は部下にバカヤローなどと言ったことはない」というA氏。
「俺はあいさつ代わりにバカヤローと言っている」というB氏。A氏はパワハラ上司ではなく、B氏はパワハラ上司だと言えるのでしょうか?応えはNOです。それはなぜでしょうか。

発信された情報は発信者のことばそのものだけでなく、声の抑揚、高低、間、ジェスチャー、姿勢、態度を通して伝えられます。それが対面の場合もあれば電話、eメール、手紙、ビデオなどによることもあります。大事なことは、発信者の置かれた立場や状況、それまでの関係を背景にしてメッセージが送られるということです。そして、発信者のメッセージはいくつもの表現方法を通して伝えられます。受信者もまた、自分の置かれた状況と今までの経験をベースにしてそのメッセージを受け取ることとなります。ですから、自分と相手との間にはどういう力関係があるのかをハッキリと認識しておく必要があります。

特に職場では、同じことばでも立場の違いでその意味内容に大きな違いが生じてきます。
仲間と一緒に小さな会社を興したベンチャー経営者は、今でも創業当事の仲間とはことばを選ばずに徹底的に議論し、自分の意見を主張するといいます。しかし創業後あらたに加わった社員にとって、社長である彼は仲間ではありません。社長が創業時の仲間に対するのと同じように、後から入った社員に向かって歯に衣着せず意見すれば、相手は衝撃を受けてしまうでしょう。

このように立場によって、同じことばでも意味合いは違ってきます。
「それで、結果は?」と同僚に聞かれるのと、社長に聞かれるのではまったく意味合いが違うのをみれば明らかでしょう。たとえ上司に悪意がなくても、「そろそろ評価の時期だけどな」と前置きしてからの指示命令は、部下にとってはいつものそれより重く受け止めることでしょう。上司は自分のポジションの持つパワーを知った上で発言することが大切です。決して自分が人間として偉大だから部下が言うことを聞くのではなく、そういう職位にあるからだということを、忘れないようにしたいものです。

逆に、部下が苦しいとき、悩んでいるとき、上司のちょっとした一言が大きな支えとなることもあります。
影響力を踏まえた上で発言を行うことは管理者として重要なスキルなのです。

発言の影響力を踏まえるということは、部下がどういう人間性をもっているかを理解することでもあります。
組織には多様な人材がおり、同じ指導のしかたをしても、ある人にはパワハラと受け取られ、ある人には好ましい配慮として喜ばれる、ということがありえます。部下のタイプに応じて接し方を工夫する必要があるのです。

<非主張・自立> タイプには、 常に新しい魅力的な仕事を与え、モチベーションを維持させる。
<非主張・依存> タイプには、 自信を持たせるためにこまめに業績を評価してやり、長期的には、会社がすべてではない人生設計をするよう導いていく。
<主張・自立> タイプ には、 まずは相手の言い分を冷静によく聞き、問題を隠蔽しないよう配慮する。
<主張・依存> タイプ には、 小さな仕事でも本人の責任で完結させるなど、徐々に権限を与えていき、強制的ではなく自発的に仕事を進めているという意識を持たせるようにする。

また、むやみに感情的になるのを防ぐには、ふだんから労働契約についての基本的な知識や就業規則に書かれていることを十分に理解し、部下にも周知徹底しておくことが有効です。業務上必要な叱責をする場合にも、冷静かつ毅然とした態度で行うことができるでしょう。

態度や声の調子などことば以外の表現についても、その効果をきちんと理解して、気を配る必要があります。
眉間にしわを寄せ、不機嫌な表情で、相手の目を見ることもなく「この件について君の責任はない。不問とする」と言われても本当にそう受け取れるでしょうか?あるいは小さな声でおどおどしながら部下に注意をしたとしても、その効果は期待できるでしょうか? 

パワハラ加害者のタイプでよくあるのが、大声で怒鳴りまくる人です。
大声を出すことが相手やその周りの人にどういう影響を与えているのか、よく考えてみましょう。同じオフィスで仕事をしている限り、大声を出さなくては聞こえない距離ではないでしょう。熱血上司やタフな男ばかりを演じ続けるのをやめて、状況に応じて臨機応変に効果的な表現ができる管理者に変身してほしいものです。

労働契約上の労働者の義務
(安西愈『人事の法律常識』日経文庫より)
  1. 労働義務
  2. 業務命令に従う義務
  3. 職場秩序を守る義務
  4. 職務専念義務
  5. 信頼関係を損なわない忠実義務
  6. 誠実な業務遂行義務
  7. 職場の人間関係配慮(セクハラ禁止)義務
  8. 業務の促進を図る義務
  9. 会社の名誉・信用を守る義務
 10 兼業禁止義務
 11 企業秘密を守る義務
 12 協力義務
 13 使用者の配慮義務
   a 教育指導義務
   b 安全配慮義務
   c 適正労働条件確保義務
   d セクシュアル・ハラスメント対策


◆コミュニケーションは相互作用

ある特別な共通属性(日本人、男性、正社員)を持つ人たちが、同じ目標を持ち、同じ価値を共有してきたのが今までの日本の企業でした。そこではお互いの状況を詳しく説明したり、細かく配慮しなくても考え方や意見は伝わります。「日本人、男性、正社員が考えることが、すなわち常識」という意識の中では、以心伝心が可能だったのです。

しかし、今の職場では女性、外国人、派遣社員など、性別、国籍、年齢、就業形態もさまざまな人たちが仕事をするようになっています。今まで当たり前だと思っていたことも、もはや当たり前ではないかもしれません。

誰もが同じ価値観を持ち、同じ夢を見て、同じように働き、同じように生きてきた時代は終わりました。時代は動いています。私たちはもう一度、「普通」「常識」と考えていることを見直した方がよいのかもしれません。

以心伝心は理想なのですが、現実はそうはいきません。逆に言わなくてもわかってしまうのが、相手に対する悪意や敵意です。もし、部下の誰かに悪感情を抱いているなら、その原因を究明してください。それに向き合わない限り、事態は悪い方向に進むいっぽうでしょう。コミュニケーションは相互作用ですから、悪意を持てば相手もあなたに悪意を感じ、お互いに悪意がエスカレートするばかりです。

そして、管理者の責任の重大さは、あなた自身が持っている感情が特定の誰かに対してだけでなく、組織全体に反映されてしまうところにあります。
あなたが何かにつけて神経質で、ピリピリしていれば、みな仕事どころかあなたの気持ちを推し量るために全エネルギーを注ぐようになるでしょう。

パワハラの訴えの中でよくみられる上司像は、感情を爆発させるタイプです。部下たちはそれが怖くて誰も何も言えず、ビクビクして仕事をしています。そこまでひどくないとしても、部下がいっさい反論してこなかったり、失敗を隠したがったり、目を合わせない、あるいはあなたの顔色をうかがうようなことがあったら要注意です。

自分では気づかずにパワハラをしているケースは想像以上に多いものです。自分自身の考え方や行動スタイルを見直すことによって、パワハラといわれないマネジメントが可能になるのではないでしょうか。

〔「上司と部下の深いみぞ」を一部改変〕
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